「季節と食材を見極めて、いかに“引き算”をしていくか」◆前編

ゲスト:『緒方』店主 緒方俊郎さん

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京都にある割烹の名店。こちらは非常に予約が困難なお店。
なのでボクはお店にうかがったときに一年間の予約を入れさせていただいているんです。
それだけ人気があるということ。
今回うかがったのは1月ということで、おめでたい料理が続きました。
京割烹ではただ料理を食べるだけではなく、見る、感じる、触ることも含めて楽しみながらいただいていくんです。
まずは根付きの松葉を手に取ると、下にはお皿が。

カラスミ御飯なのですが、カラスミって普通はタラコのようにぶつ切りにするでしょ!?
こちらでは広い面をスライスしているんです。伝わるかな!?
しかもこれはカラスミ自体が特別なもので、粒の大きさを感じられるんです。
ほんのり温かい御飯に乗ったカラスミ、食感もたまらない。

お椀も驚き!
大根と白子の天ぷらのお椀。
大根自体の甘さが感じられるように、味付けを最小限に押さえられたお出汁が素晴らしい。
「椀を明けた瞬間に大根の上に乗っている白子を横に置いてください」と言われました。
その理由は「出汁が濁るから」なんです。
大根の旨味と白子の甘味を感じるためには、このお出汁じゃないとダメなんだと改めて納得。

こ、これはなんだ!? するとご主人が「雪を外すと、お造りが出てきますので」なんて京都らしい冬の演出。
お造りが雪でしめらないようにちゃんと和紙で包まれていました。
凄いなぁ、緒方さん。

続いて間人ガニ登場!
どどーんと、活きたまま目の前で裁いてくれます。
これぞカウンター割烹の醍醐味。ライブ感がすごい!

見事な包丁裁きによって、解体されたカニたち。
一体コレをどういう風に料理してくれるんだ!?

炭焼きにされたカニたちが真っ赤に美味しく染まっていく~!
焼き過ぎると水分が飛んでしまうので、ご主人は常に目を配っています。

甘~い身をいただいたあとは、味噌!
ご主人いわく「これ、ほんの少しの味噌だけで、あとは何も入れていないんです」
えーーー信じられないっ!
カニ自体の水分でカニ味噌料理ができあがっちゃうなんて。
「季節と食材を見極めて、いかに“引き算”をしていくかなんですよ」
うーん、さすが緒方さん!!

――後編につづく

ショップデータ

緒方

住所:
京都府京都市下京区新釜座町726
電話番号:
075-344-8000

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