「白洲次郎さんはこの席、キアヌ・リーブスさんはこの席、ジモンさんはここの席」◆前編

ゲスト:天ぷら『佐が和』店主 佐川和男さん

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東京・新富町にある『佐が和』さん。先代の店主である佐川忠重さんはあのマリリン・モンローが来日したときに天ぷらを食べてもらったという経歴がある程の日本を代表する天ぷら屋さん。
何と言っても”江戸前の天ぷら”という日本食の伝統を守りに守り抜いている、シーラカンス的なお店。
そして、天ぷらといったら海老!! この店では天然の車海老を数が覚えられないくらい食べさせてくれるんです。うぉぉぉぉ美味しすぎるっ!!
しかし、ご主人曰く「(江戸前の)天ぷらだけのお店はこれから少なくなっていくんじゃないでしょうかね」
えーーーー!どうして??
「年々、日本の天候が乱れてることで魚がどんどん小さくなってきています。なのでこの先は今までの天ぷらではないものになってしまうかもしれません」
言われてみれば確かにそんな感じがします。
「ちなみに天ぷらによく使われる才巻き(海老)は雨が降ると塩分濃度が変化して脱皮しちゃうんですよ。最近、東京湾の車海老がほとんど穫れなくなったのはこのためですかね・・」
なるほど。すでに海老の段階で勉強になるお話を沢山教えてくださいました。
うーん、ボクよりも多くのうんちく(笑)。本当に勉強になるなぁ。
ということで、ボクも負けずにうんちくをひとつ。
車海老はこの『佐が和』さんのように揚げる直前まで活かしておく、そうすると包丁を入れなくても揚げた時に尾が開くんです。これ、新鮮な証拠!

そして、最近天ぷらを塩でいただくお店が多くなりましたが『佐が和』さんでは天つゆで頂きます。大根おろしが雪の様にきめ細やか!! なので、天つゆの中に入れるとすぐに溶けて、何とも言えないおろしつゆに。油の多い天ぷらが全くもたれないものになっちゃう。体にとっても美味しい!

こちらは大ぶりの鱚。ご主人いわく「もっと昔は大きかったんですよ」いやぁボクからみたら、十分大きいんですけどね。

こちらももちろん天つゆで。サクッと、そしてほろほろと甘辛い。うーんたまらない味です!

季節ものの鮎。昔は流通的にワタがなくなってしまったんですけど、今は発達したので、生きたまま揚げられます。まるで泳いでいるみたいでしょ。

最高の油、最高の技で揚げられたアスパラは高級な逸品料理! 天ぷらは油によって加熱された科学的な奇跡の味を呼ぶんです。

――後編につづく

ショップデータ

佐が和

住所:
東京都中央区新富1-5-8
電話番号:
03-3551-3669

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