THE蘊蓄 Vol2『イクラ』イクラの美味しさって何で決まるの!?

THE蘊蓄 Vol2『イクラ』イクラの美味しさって何で決まるの!?

ボクは子供の頃からイクラが大好き。
これまでのイクラ人生の中で特に驚いたのは『すきやばし次郎』さんで食べたもの。
サクッとした海苔の中で、トロトロと溶けていくようなとろけるイクラ。
思わず次郎さんに「なんでこんなに美味しいのですか?」とストレートな質問をぶつけてみたところ
「昔はもっと美味しかったんですよ。イクラ自体の旨味が強かったので、海苔は巻かずに出してたんです。今、海苔を巻いているのは海の香りや旨味を加えてちょうどいいということになった」
海苔を巻いているのにもちゃんとした理由があるんですね。
それ以降、ボクは夏から秋に新しく出てくる新モノのイクラを求めるようになりました。
新モノが出てくるということは、段々と冬の魚へと移行していく、美味しいお寿司の旬の始まりということでもあるんです。

さて、皆さんはイクラの美味しさって何だと思いますか?
何とも言えない卵の黄身のようなコク、そして粒は段々と冬に近づく程に大きくなっていくのですが、新モノの時期が過ぎてしまうと、粒は大きいけど皮が硬くなってしまう。そうなんです、皮が硬いいくらはダメなのです。
なのでいい本当にお寿司屋さんでは”仕事”をしていて、卵を覆っている二枚の皮を丁寧に剥いて出しているのです。
そしてもう1つ言わせていただくと、鮭は川で生まれ、海で育ち、再び生まれた川に戻ってきます。
イクラになる鮭は川に戻る前の海でつかまえるのですが、戻る川が長ければいくらは卵を硬くしない。
川が短いと、直ぐに産卵しなければいけないので卵を硬くしてしまうんです。
なので、名店のお寿司屋さんは長い川に戻ってくる鮭のいくらを仕入れているんですよ。
あぁ生物の生きるという力が旨味となるイクラ。旨味の母なんだなぁ。

« 前の記事:THE蘊蓄 Vol1『... を読む

次の記事:THE蘊蓄 Vol3『... を読む »