美味しい北京ダックの基本はやはりお店に焼き専用の窯があって、出来立てのものを職人さんがカットして、巻いてくれる、これがベスト!
とずっと思っていたのですが実は六本木の『中国飯店』さんの北京ダックは姉妹店の『富麗華』さんで焼いた物をお店で再加熱して出してくれているんです。
普通それって、ダメだと思いませんか?
ところがかなりいい感じの北京ダックが出てくるんです。
その秘密はある店員のおばちゃんの存在。
30年ほど『中国飯店』さんに勤務されている女性がいるのですが、その方が巻いてくれた北京ダックはお店で焼いていなくてもそれ以上のクオリティに変化しちゃう。
僕はその方がその日の勤務に入っているか否かで北京ダックを注文するかどうかを決めるくらい。
やり方を見ていると、皮の削ぎ方、そこに巻入れる具の量、甜麺醤の量、巻き方。
それがもうパーフェクト! バランスが最高にいいんです。
実物をひと口かぶりついていただければ、その素晴らしさをわかっていただけると思うのですが、断面が皮が美しくローリングしているんです。そして空気が程よく入っている!
太すぎず、細すぎず、お寿司屋さんと同じで”完成型”がちゃんと見えていてこそできる技。
僕には絶対にできない。
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