この素晴らしいお肉はステーキの名店『麤皮』さんで使われている最高級の三田牛のメス牛です。
ご主人によれば「最高のものだけを仕入れているんです」とのこと。
続いて「最高のものとは何ですか?」とうかがうと、これがびっくり。
「今回のお肉は箱のような小さな牛でした」と言われたんです。
そもそも但馬牛の源流に近い牛というのは比較的小さめのではあるのですが、お肉業界が利益を出す為には大きな牛が生まれた方が必然的に沢山のお肉が取れますよね。
そのために長い時間を掛けて色々な交配をさせてきたそうなんです。
もしかするとこれによって、牛の本当の旨味は失われてしまったのかもしれない。
が、しかし、そこは自然の摂理。この交配を繰り返している間に、ひょっこりと源流が生まれることがある。
なので今回もその最高の但馬牛の中で、たまたま生まれた奇跡の牛。
この奇跡だけを追い続けているお店が存在することにも驚かされました。
もしかしたら交配を繰り替えしていかないと、こういう奇跡も起きないとうこと。
かといって奇跡の牛だけを合わせていても、いつか種は弱っていくものなのです。
雑草の中からスターが生まれるのだということを、自然から知ることになりました。
味ですか? 食べたら、飛び上がるほどの旨味と香りがありました。
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