本店を構える香港でもミシュランガイドの星がついている。言わずと知れた中華料理の名店『福臨門 』。現在は創業者・徐福全の7番目の息子、徐維均が伝統の味に現代らしい感性を取り入れて、新ブランド「家全七福」という名に。ボクはいつも飲茶をメインに思い切り食べたいときに、ここへ伺います。その技術は天下一品。中でも海老とニラ入り蒸し餃子はどうやったらこんなに薄い皮で、こんなにたくさんの具を包めるのか。毎回テーブルにやってきてからまじまじと眺めてしまいあます。職人さんが包んだときにせいろに置くのにも破れそうなのに……ボクの口に入れるときまで破れるな!という緊張感がたまらないのですが、破れない。それが技術なんですね。噛むとめいっぱい海老とニラが口の中に広がる、この瞬間のための技術。すごい! 海老春巻きに至っては、これはもうデザートだ。薄い皮がサクサクと何層にも。海老ミルフィーユだっ!! 飲茶以外のところでは金鶏の姿揚げは必食! 放し飼いで育った金鶏を熱した油をかけて火を通していく逸品。〆は絶対に干し鮑の煮汁を入れた干しタコと鶏肉の炒飯。口の中に入れると、自然が作った旨み調味料が広がり癖になる味です。