店名のエスキスとは素画という意味。その瞬間を皿に表現して、色を付けていくという解釈がぴったりとはまるレストラン。アート性のある美しい料理に食べることを一瞬忘れて見とれてしまうこともしばしば。例えば塩分を使っていないオリジナルのパンに添えられてでてくるバターと岩塩。この岩塩も皿の上でお店のシンボルマークが描かれていたり、料理自体の発想もそのキャンパスを描くシェフの感性に毎回の驚きがあります。鴨料理をサーブされたときに、鴨肉の上に鰹節のような粉を目の前でかけてくれたのですが、聞けばそれ、鴨を干して言わば”鴨節”!?のような薫製。出汁文化のある日本で、この発想に至っていなかったことに悔しさがあり、驚きがあり。日本のレストランでシェフを務めるというフランス人シェフ・リオネルベカさんの柔軟性と研究心に脱帽です。ボクの個人的な見解ですが、こちらのお店はぜひランチタイムに行っていただきたい。ディナーメニューがリーズナブルな価格になっていることもあるのですが、とにかく店内の光の使い方が素晴らしい。白で統一された内装に、心地よく降り注ぐ太陽光線が料理をひときわ美しく、際立たせてくれるんです。ますます実力を伸ばすエスキスにさらなる期待を込めて。ランチもディナーもコースにはグラスシャンパンが付いているのも心をつかまされるおもてなし。