ミシュランガイド三ツ星の常連店。岸田シェフが繰り広げる渾身のコース料理。2013年夏に店舗を移転して厨房が広がり、料理の幅もさらなる未知の世界へ。この店のメニューは白紙です。その理由は一期一会、お客様に合った料理を提供したいという想いからだそうです。毎回、初めてのコース料理が登場するテーブルに、2つだけ定番のスペシャリテが出てきます。1つ目は『山羊乳のヴァバロア』山羊のチーズにオリーブオイルと塩、ユリネ。爽やかでミルキーな言葉で言い表せないほどの旨味。2つ目は『メレンゲのグラス』と呼ばれるアイスクリーム。口溶け大会優勝!? 驚きの逸品です。 今回、紹介するのはメインの豚肉料理。これはもう反則! 焼いては寝かせ、焼いては寝かせの繰り返し。肉焼き根比べここまでやるかスペシャル! 塊のままオーブンで3時間火入れ。その行程は1分加熱して5分間休ませる。それを3時間、つまり30回行うというんです。岸田シェフが自分の魂を削りながら肉の火入れ! それはあたかも刀鍛冶が魂を込めるよう……。ジューシーで芳醇で香り高い豚肉。付け合わせの翡翠銀杏と栗カボチャ、高峰唐辛子、長芋もさることながら、これを包むヘーゼルナッツのソースは失神寸前!