ボク、時間にせっかちなものでロブションで食事をするときは恵比寿のガストロノミー・ジョエル・ロヴションでお店でゆっくり食べるより、こちらのカウンター系のサーブの仕方が気に入っているんです。すべての料理が美味ですが、肉料理はまた格別です。あるとき、なぜだかその日は無性に羊が食べたかったため、その日のおすすめメニューも聞かずに「羊、お願いします」と注文したら、店員さんが驚いた顔で「わかるんですか?? 今日の羊料理、さっきまでロヴション本人が仕込んだものなんです」と。ボクには肉運があるのか!? こんな素晴らしい奇跡が起きるなんて! なんと言ってもロヴションさんの凄さは神の火入れ。いや、肉料理は火入れがすべてなのかもしれない。低温で時間をかけて加熱することによって細胞膜が破れず肉本来の旨味が閉じ込められる。少しスパイシーなロヴションの魔法をかけられたそれは羊料理肉汁大会優勝!? 火入れの限界点、何本もおかわりしたくなるそんな味です。