厨房から放たれる料理人たちの真剣オーラ。その様子を見ただけで、絶対に美味しい物が出てくると予感させてくれるお店。コースで出されるコーンスープに浮かぶクルトンは、どうやったらここまで繊細で完璧なものになるんだろう? と思える程、芸術的。サラダも同様に、どんな風に水を切って混ぜ合わせたら、こんなに野菜の隅々にまで、ドレッシングが染み渡るのだろう? という見事な仕事。 そうなんです、神は細部に宿っているのだ。そんな厨房から生まれるハンバーグとは一体どんなものだろう? とわがままを言ってお願いしたところ「少々、お時間がかかりますが」と快諾してくださった。どれだけ待っても食べてみたい。待つ事約30分。お皿にアースが乗ってやって来た。なんと美しきかな球状のそれは、ほんのりワインの香りが漂うデミグラスの宇宙の真ん中にいた。ナイフを入れるのも躊躇してしまう奇跡のハンバーグ。食べた事がないなんてもったいない!