ステーキ店でありながら、まるでお寿司屋さんのようにピンとした空気の店内。これがこのお店における最初のおもてなし。メニューはなく、コース仕立てでシェフがおまかせで出してくれる。メインのステーキはお客様が席についてから、上質なA5ランクの塊の黒毛和牛に包丁を入れ、前菜などを楽しみながら、シェフが約1時間かけて炭火で焼き上げる。初訪はもちろんステーキを堪能していただきたいが、何度か通われたら、ぜひこのハンバーグをリクエストしてみてほしい。そう、このお店ではお客様が「今日はあれが食べたい!」と言ったものに対して「NO」はありません。牛丼だって作ってくれちゃうんです。すべてのサービスがお客様に対するおもてなし。さて、このハンバーグ、選び抜かれたヒレの塊からお肉を包丁で切り、ほんの一つまみの塩だけでまとめられます。 シェフ河村さんの「黒毛和牛のおいしさは、雑味のない繊細さ」というこだわりで、スパイスは入りません。ナイフを入れても肉汁は一切出ず、湯気だけが燻る。まさにハンバーグの大吟醸だ。