湯島の風情ある一軒家。暖簾をくぐるとカウンターではハキハキとした活気が感じられる気持ちのいいお店。この厨房を司るの店主の黒木さんはあの『京味』で修業をされた方。カウンター越しに客と楽しげに会話と食のライブを披露をしながら、手元でさばいている魚に目を配り、二階のテーブル席に気を配り、神経を研ぎすましているのがうかがえる。春は山菜や丹波産の白子筍、夏は鮎と鱧、秋は松茸や丹波栗、冬は河豚に蟹に寒鰤に……といった具合に季節のコース料理を提供していて先付けから約11種類の”日本”を感じられる料理が堪能できる。”おもてなし”をコンセプトに謳っているお店とあって、例えば秋の松茸の最盛期にはカウンターに乗り切らないほどの最高の松茸を並べて客を迎えてくれて、入った瞬間に”香り”からコース料理が始まっていたり。充実に師匠である西健一郎さんの教えを継承しながら、食材の個性と自分の個性を組み合わせることに挑戦している姿勢も日本からさらに世界へ向かっているのが感じられる。実は昼はランチ営業もしているので、その片鱗をリーズナブルに楽しみたい人はまずランチからうかがうのもあり。あ、そうそう、和菓子屋さんもオープンされているほどなので、コースはデザートまでしっかり堪能してください。