この紹介記事を書くにあたり、改めて背筋をピンと伸ばしました。そうなんです、それほどに大切で尊敬しているお店。正確にはお店もですが店主の西健一郎さんは心から尊敬してやまない食の師匠なのです。ボクは西さんの料理をいただくというより、お言葉を聞きに通わせていただいていると思っています。いつも無理を言って開店の1時間前にうかがい、個人的に西さんと話をするのがボクの人生の宝物。西さんのお父様である西音松さんは西園寺公望公のお抱え料理人を務められ、日本調理師番付で西の横綱になった伝説の料理人。そのお父様のすべてを伝承し、ご自身の並々なる努力と才能で今や日本を代表する料理人となった。なので、西さんとの会話には時折お父様の言葉も登場します。「贅沢なものが美味しいのではなく、なんでもないものに手を加えて美味しくする」「季節の声を聞きなさい」ボクの心のノートには大切な言葉が増え続けています。ここではあえてその料理の説明を細々とするのを控えます。一度暖簾をくぐれば貴方の舌で、目で、その全てを感じていただけるはずです。