会員制の京料理店。こちらは完全紹介制の会員制。会員になれた場合、年末に月に一度の来店日程が指定された月謝袋をもらうことができるんです。つまり会員は月に一度お店にうががう権利をいただけたというわけ。しかもお支払いは食事代としてではなく、御習い料として毎回につき3万円を月謝袋に入れてお支払いするというシステム。少々ややこしいのですが、食が好きだと自負している方は絶対に辿り着いていただきたいお店。さて、お店にうかがうと、お部屋に案内されるところから学びが始まっています。掛け軸、調度品、生け花、すべてに意味があることを女将が教えてくれます。そして食事を進めながらさらに、その食材のもつ意味、歴史、宿る神に至るまで食べることの意味を学ぶんです。たとえば刺身の天然の鯛。人間が両親から命を受け継ぎ、その両親にも親がいる、ボクらにも子ができたときに輪廻がある。鯛も同じ、だから本当の意味での命をいただいているんだと。天然の鯛を使っているのは、養殖には親がいないので命を継ぐことが出来ないからというお店の信念。しかもこのお店、冷蔵庫がないんです。夏でも食材はすべて氷を使って保存している。前回うかがったときにトイレに一番美しい豪華な花が飾ってあることが気になって女将さんに訊ねてみると、「トイレの神様が一番神経質。トイレを美しくすれば店は繁盛する」と。飲食業を目指す方、されている方にも一度敷き居をまたいでいただきたいお店です。