冷やし中華を提供した元祖のお店と言われているお店。もともとは先代が上海麺と日本のざる蕎麦からアイディアを得てまかないとして作ったのがきっかけなんだって。しかも富士山のように円錐形に盛られているのは昔お店から見えた富士をヒントにしたもので、てっぺんの錦糸卵は富士にかかる雲をイメージしている。具はこれは中国で縁起のいい数字であることにゲンを担いで10種類。中には冷やし中華の具には珍しい寒天も乗っているのですが、これは冬の氷を連想させ、煮筍は秋といった感じで、ぐるりと一周した具で四季を楽しむことができるようになっているんです。全ての具にしっかりと仕事と味付けがされているのも老舗のプライドを感じさせてくれる。そしてタレは所謂すっぱ甘い醤油ベースなのですが、変わらない具に対して、タレだけは時代に合わせて毎年少しずつ配合を変えているんだとか。だからボクは1年に1度、この富士山を眺めに通い続けているんです。