お店に入ると、厨房では大島シェフを始めとしスタッフ全員が料理と真剣勝負をしている光景が飛び込んで切る。この凛とした空気にこちらも胃袋の戦闘態勢の準備を始める。料理はコースのみ。オーダーが厨房に渡ると、大島さん劇場の開演。シェフは京都の名店『ステーキハウスゆたか』の東京支店で修行をされた方。それだけにお肉はフィレが京都産、ロースは神戸牛などを使用と、肉選びにもゆかりを感じる。コースの前菜で出てくる、サーモンのオードブルもなんと美しいことか。前菜を堪能している間に、特製の回転式グリドルの中で、ゆっくりとボクがオーダーしたフィレステーキが塊で焼かれていく。昔アメリカやヨーロッパでよく見た、暖炉で焼くステーキを彷彿とさせます。炭火で焼かれたステーキは、包丁を入れても余分な肉汁は一切こぼれない。口の中で噛み締めたときに始めて、ジュワッと溢れ出す。さすが、匠の技。周りを見回すと、本物を知っている人たちだけが笑顔で肉の宴を楽しんでいます。