まず、お肉の上に敷き詰められているこれ、なんだかわかりますか? 玉葱なんです。もはやお肉の色と同化してしまうくらいに、美しい飴色にまで炒められた玉葱のソテー。これがこのシャリアピンステーキにおけるソースなんです。お肉はランプ肉。もともと1936年にロシア人のオペラ歌手であるフョードル・イワノビッチ・シャリアピン氏のために作られたことがきっかけで、今や帝国ホテルの一番のスペシャリテに。玉葱って、生だと辛いけど、加熱すると驚く程に甘味が出る。お肉を食べるときに側にいてくれると本当に嬉しい存在のひとつ。この玉葱のおかげで、お肉の脂がさっぱり中和。ランプ肉も想像を超える柔らかさ。最初、お肉が少し薄いかな? と思うのですが、食べてみると納得。玉葱とお肉の厚みが1対1。それだけにベストな中和となるのだなと気づかされます。学びが多いステーキです。ちなみにこちら、注文から30分かかるので、ランチタイムは要予約。ほかに『海老と舌平目のグラタン”エリザベス女王”風』は文字通り、同女王が来日されたときに提供されたものだとか。 ハイクラスのラインナップを攻めてみるのも楽しいかもね。