数年前、惜しまれながら閉店した2つの名店のシェフが新たに作り出した『ポンチ軒』という味。とんかつを切る専用の包丁を使っていることでもわかるように、とんかつに対する仕事と追求が本当に素晴らしい。名物のヒレ一本揚げは140度という低温で時間をかけて揚げられ、油からはずしたあとに余熱で火を入れていく。この”置き時間”が絶妙でとんかつを熟知したシェフにしかできない極技。包丁を入れた瞬間はロゼ色、そこからお客さんのテーブルに運ばれてくるまでに少し火が入っていくのだが、口に入れる瞬間を”最高”とし、そこまで計算しつくされていることは食べればわかる。長い1本のヒレはどこを食べても柔らかく、荒めのパン粉は塩分・糖分が控えめの自家製で、胃もたれしない。
ポンチ軒|
ジューシーな断面。こんなに美しいロゼは見たことがない。
DATA:3,200円(税抜)